永遠のビギナーズラックを求めて

「言語の慈雨に包まれた美しい宝石の名著」や「成長と安定を兼ね備えた投資の傑作」を見つけたら紹介するブログ

【決意】レッテルの産物

ブログ開設に至ったのは、何か書きたいと思ったからであります。ただ、書き続けるためには何かモチベーションが必要だと思い、将来に建設したい学校に向けたコンテンツづくりにしようという思いに至りました。忘れぬためにも今回はその背景について述べようと思います。

 私は学生時代にいわゆる発展途上国と呼ばれるバングラデシュという国に観光以外の目的を持って訪れました。どんな光景が広がり、どのように自分たちが受け入れられるのか、期待と不安に満ちていました。実際に訪れると、自分が日本人であることを強く意識させられました。バングラデシュで待っていたのは人々の温かいおもてなしでありました。バングラデシュの人々は日本に対して非常に好意的で、必要以上に親切に振る舞ってくれました。日本人というだけで、警察官がわざわざ個別に護衛してくれることや街の人も列に順番に並んでいると先へ譲ってくれること、一緒に写真を撮ってくれないかと求められることがありました。彼らの優しさや思いやりを随所で感じることができ、またこの国に帰ってきたいと思わせてくれました。

バングラデシュの人々が持つ日本に対する信頼は一朝一夕で成り立つものではないと思います。おそらく、今まで日本がバングラデシュに行ってきた支援の影響があるだろうと思います。私は二年間、貧しい農家の生活水準を向上させ、子どもたちが教育を享受できる社会を実現するための糸口はどこにあるのかをひたすら追いかけてました。現地渡航に関する全てを自分たちで行い、金銭的及び時間的コストを十分にかけたため、深くこの国と向き合うことにつながりました。貧困層の人達にも、少なからず出会うことがありました。私たちはレンガ工場で児童労働の現状を目にしました。そこで感じたことは、児童労働の問題は大きく二つのことから生じているということです。

一つは貧困です。その日生きる為のお金を稼ぐことで精一杯であり、学校が無料であっても行くことができない、そもそも学校へ通うという発想すら浮かばない人達です。彼らは、レンガ工場をはじめとするさまざまな日雇い労働者として働き、自分を含めた家族を養っています。

二つ目は、教育を受ける事に価値を見出していないためです。これは、親の意向である可能性が高いです。親の方々も幼い頃に教育を受けてこなかったため、教育がどういうものにつながっていくのかを理解できていないのです。

こういった背景からもまだまだ教育を受けていない貧困の人は多い。私たちが想像しているより遥かに多いだろうと思います。現地で貧困は単純な問題ではなく、複雑に様々な問題が絡み合っていることを実感しました。しかし、彼らの学ぶ姿勢、主体性を活かして、エネルギーをぶつける場が形成されれば、この国の将来は飛躍的に明るくなるはずであると強く思いました。

 

そのための国の発展及び教育の普及には、雇用の増大が重要だと感じました。最終的には雇用の数、つまり、仕事の数を増やすには多くの企業が現地でビジネスできる環境を作っていかなくてはならないです。電気やインターネット、交通のインフラの整備が必須であると考えられます。その一方で、人材育成が要求されます。貧困層の家庭は農業や衣料製造業、リキシャの運送業に関わっていることが多いです。これらの仕事は力作業であり、なかなか学校で学ぶ学問と相関せず、子どもが大学まで通うコストに対して見返りが少ないです。思考が仕事に活かせる流れができていくと、教育の必要性が高まってくると考えられます。また、これからの社会は、ロボットの普及に伴い単純な作業はIT機械へと急速に変わっていく時代であります。単純な作業をするだけではなく、柔軟に考え、行動できる力を養う教育体制が不可欠となるだろうと思われます。そういった時代の流れも踏まえ、より良い教育環境へ繋がる活動を私たちは考えていかなければならないです。

これらの雇用の拡大や教育環境の向上に、民間企業がビジネスという形で参加することができれば、日本とバングラデシュはより強力なパートナー関係へと近づくことができるだろうと確信しています。


 今回、日本とバングラデシュの共生について考えました。全体を通じて、気付いた事や目にしてきた問題もたくさんあります。自分の国と向き合うきっかけも得ました。その中で「本当の共生」を実現していくために日本人である私たちも変化していかなければならないと実感しました。その1つとして当事者意識を持つことが重要であると痛感しました。私たちはこれまで他人事としてバングラデシュのことを考えていた。しかし、長期間この国と向き合う事で自分事としてこの国について考えるようになった。現地団体の代表曰く大切なことは「相手の立場になって考えること。周囲を愛すること。自分の力で何ができるのか考えること。」まさに当事者意識を持ってまわりのことを考えて行動していかないと到底実現できないことであります。その事を胸に秘め、日々の活動でも子どもが夢に挑戦できる社会の実現に少しでも一助できるよう今後も精力的に続けて行きたいと思います。そして、何かの活動を通じても日本がバングラデシュを含めた海外の国々と共生していける未来を描けるように自分事として挑戦していこうと強く決意できました。